当社の鋼材技術・真空熱処理技術とドイツALD社の真空浸炭技術を融合した真空浸炭炉 モジュールサーモ(ModulTherm)。
強度と耐久性が要求される自動車部品などに、迅速・高精度で安定した浸炭品質をご提供します。
多数台の真空浸炭炉と1基の油焼入装置を組み合わせて自動化することにより、連続炉同等の生産性とバッチ炉同等の起動性を有し、省エネルギー・操業安定性などを達成。
浸炭反応の理論から熱処理条件を決めるソフトウェアを開発し、大幅な省エネルギーと歩留まりが向上。
ガス浸炭炉に比べCO2排出量 47%削減、処理製品重量あたり39%の省エネと要員一人あたり3倍の生産量増加が得られ、立ち上げ時間・立ち下げ時間の短縮、保全周期も延長と大きな効果を発揮します。(資源エネルギー庁長官賞を受賞)

モジュールサーモ、ModulThermはALD Vacuum Technologies GmbHの商標または登録商標です。

用途

各種ギヤ部品(肌焼鋼)の真空浸炭焼入れ
合金鋼の真空加熱焼入れ
その他金属熱処理一般

特長

設備の長期安定性・容易なメンテナンス

タール分の生成が少ないアセチレンガスを採用。すべてのモジュールに炉外から直接アクセス可能なため、メンテナンスが容易です。

高温浸炭

高温浸炭処理(設備最高温度:1100℃)にも対応。高温浸炭用鋼もご提案可能です。

高濃度浸炭

保温モジュールのガス冷却機能により、複雑なヒートパターンも全自動運転で高濃度浸炭を実現します。高濃度浸炭は、ナノ炭化物の均一分散組織が面疲労強度を大幅に向上します。
(専用鋼とプロセスをセットでご提案可能です。)

安全・快適な作業環境

設備の迅速立上げか可能なため、休日前後の変則勤務が解消できます。また周囲への放熱がないコールドウォール構造のため、快適な作業環境を実現します。

高い生産フレキシビリティ

トレー単位で処理条件(レシピ)を使い分けできるため、多品種生産にも対応可能です。
生産変動時は浸炭モジュールを室単位で休止可能なため、無駄な電気代を削減することができます。

理論ベースの浸炭シミュレーションソフト<浸炭くん>

真空浸炭理論に基づいた浸炭シミュレーションソフト<浸炭くん>を標準装備。PC上でレシピを自動計算でき、熟練に頼ることなく高精度の浸炭品質を実現できます。

事前評価用実証炉のご利用が可能

社内に設置した量産規模の実証炉をご利用いただくことで、量産炉の設置前に条件出しを行うことができます。
お客さまのスムーズな設備立上げに貢献します。

真空浸炭用の鋼材を開発

歯車端部などの過剰浸炭組織の発生を防止する真空浸炭処理に適した「DEG鋼」を開発。自動車部品の飛躍的な高強度化が可能です。

効果

CO2排出量半減、生産性3倍を実証(ガス浸炭炉対比)

ModulTherm®(モジュールサーモ)導入事例において、ガス浸炭炉に比べCO2排出量 47%削減、生産性 3倍の向上が実証されています。

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、大きな効果を発揮するエコソリューション ModulTherm®(モジュールサーモ)です。

仕様

形式 MT■□-1068 ST■□-1068
方式 モジュール式 ストレートスルー式
有効寸法
(L×W×H)(mm)
1000×600×750
積載重量
(グロスkg)
500
常用温度(℃) 900~1050(最高1100)
プロセスガス C2H2
油冷モジュール 油焼入方式(コールド/セミホット/ホット)
徐冷モジュール(オプション) ガス冷却方式(N2、最高60kPaG)

■:O(油冷モジュール【標準】)/G(徐冷モジュール【オプション】)
□:浸炭室数

構造

浸炭焼入工程を複数のモジュール(バッチ炉)に分担させて行うことで、連続炉の生産性とバッチ炉のメンテナンス性・機動性をあわせ持つ真空浸炭炉です。

外観

実証炉

実証炉の見学、製品の試作を承ります。

当社滝春テクノセンター内に量産設備と同一構造の実証炉を設置。
量産炉の設置前に条件出しを行うことで、お客さまのスムーズな設備立上げを支援します。
メンテナンスの講習、実演にもご活用いただけます。