高い生産性と電力原単位の削減
シャフト式スクラップ予熱装置「MSP(多段式)/SSP(単段式)」は、電気炉からの高温排ガスを利用することで、スクラップを高効率で予熱し、エネルギーロスの低減、熱効率の向上を図ります。スクラップ予熱で得られるエネルギーは電力や他のエネルギーより安価なため、エネルギーコスト低減を実現。
電気炉の上部にスクラップ保持用のフィンガーを備えた台車移動式の予熱室を配置し、スクラップを高温かつ高効率に予熱、予熱後のスクラップを予熱室ごと電気炉中心まで移動させ、フィンガーを開放することでスクラップを炉中心に投入。そうすることで溶解期にアークをスクラップで包み込みながら溶解させるプロセスが成立し、溶解効率の向上と炉体熱損失を低減させることができます。
その効果は、電力原単位80~100kwh/t削減で生産性20%向上、ランニングコスト20%低減が期待できます。
MSP、SSPは大同特殊鋼株式会社の商標または登録商標です。
用途
製鋼用電気炉を対象とし、スクラップを予熱
特長
排ガス保有熱を適正なスクラップ予熱で回収
- 予熱スクラップの過酸化防止
- 排ガス量をバイパスルートで調整することで溶着トラブルを回避
使用スクラップの制限が少ない
- スクラップ種類の制約がない
- スクラップ選別の必要がない
- スクラップ予熱によるスクラップコストアップの回避
高い電力効率
- 溶解期はスクラップが炉中心に装入されるのでフラットバス操業である連続装入方式より電力効率が高い
- 予熱槽を移動して炉中心にスクラップ装入
- 代替エネルギーの使用が可能
環境規制を確保した安定した集塵系の運転
- 予熱槽内での排ガス中のCOガスの顕熱化
- アフターバーナー方式による脱臭
- ダイオキシンの再合成が少ない
高い生産性
- 電力原単位削減による稼働時間の短縮
- 代替エネルギーの使用が可能
高い予熱効率
- 電気炉上に予熱室を設置するので高温排ガスを有効に利用できる
SSP(単段式)採用によるメリット
予熱有効容積の拡大(スクラップを保持可能な空間の拡張)
- 低廉スクラップの使用拡大
装入移動回数の削減
- 止電時間の低減
設備のシンプル化(部品点数)
- メンテナンスコストの削減
構造
MSP(多段式)
- 予熱スクラップ原料:制約が少ない
→予熱制御(バイパスダクト) - 移動式:電気炉中央へスクラップを装入
→高い溶解効率と炉体熱損失低減 - 予熱式:スクラップを高温かつ効率的に予熱
→高熱に耐え得るフィンガー - 広い燃焼空間:COガスの安全燃焼
→安全性が高い
外観
電気炉 ( 炉体旋回式 ・ 予熱装置付 )
制御
付帯設備
電気炉 ( 炉体旋回式 ・ 予熱装置付 )
炉体旋回式電気炉 STARQ
スクラップ予熱装置付アーク炉 SPH-markⅡ アーク炉 シャフト式スクラップ予熱装置付アーク炉
MSP-DCアーク炉/SSP-DCアーク炉